自己紹介

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※恐れ入りますが、企画者もアーティストのため至らない点が多々あるかと思います。ご意見、ご要望等ございましたら、なんなりとお申し付けください。

2012年5月8日火曜日

清澄山の子供と清澄山のじじ

昨年2011年8月10日(水)〜8月21日(日)の間、僕らは自分達も予想しきれない展覧会を行なおうとしていた。 京都などの観光施設として観光客が訪れるお寺ではなく千葉の鴨川の山奥にある現在も多くの信者の方々が利用するお寺での展覧会は、いつも不安でいっぱいで、今冷静に考えるとよく出来たものだと思う。 そんな僕達を支えてくれたのは、多くの大人の方々だったが今日はある一人のジジについて書きたい。 以前にも僕のブログなどでも紹介している大好きで素敵なジジだ。 はっきり言って僕達がお寺で展示するにあたり持っていた知識は、宗派なども含めお世辞にもあるとは言えないものだった。 しかし、文化や伝統を考える若者として大きな心で受け入れてくれたのだと思う。 僕らは、展示の準備などのために展覧会の約3週間前からお寺のすぐ近くの古民家でレジデンス制作をさせていただいた。 築100年はあるだろう山奥の家で参加アーティスト6人+1人の共同生活が始まった。
僕らは、レジデンスに入る前に清澄山についてや日蓮宗についてなどのリサーチをしてきた。 しかし、なかなか自分のリアリティーと繋げるのに苦労していた。 そんな中で僕らは一人のジジに出会う。ジジの名前は藤武さんといい僕らの古民家のすぐ下に住んでいた。 藤武さんは清澄山に子供の頃から住み長い間清澄山の写真を撮ったり、歴史を調べている人だった。 僕らの展示のリーフレットの写真を提供してくれたのも藤武さんだ。
藤武さんは僕らが清澄山で展示する事をすごく喜んでくれた。 そして、多くの事を教えてくれた。清澄山が実は8つの山からできてることや、清澄の自然についてなどについて。。。 また藤武さんは野性のシカを鈴で呼ぶことができてTVにも何度か紹介された人だった。 実際僕達もシカを呼ぶ所を見せてもらったが、鈴の音とジジがシカを呼ぶ声はとても幻想的だった。 清澄レジデンス中に僕も何度か挑戦してみたがやはりジジにしかできなかった。 展覧会がはじまった。。。
その時もジジは、お洒落して僕らを祝ってくれた。 本当に嬉しかった。 展覧会が始まってからも何度も展示会場に足を運び僕らを励まし応援してくれた。 お寺の現状を何か変えたいと思っていたジジは、僕らのアートワークから何か夢を見てくれたようであった。 本当に毎日のように展覧会場に来てくれた。暑い日はかき氷を差し入れしてくれた。 お得意の写真を撮ってはすぐに現像して持って来てくれた。
本当に心の支えだった。 藤武さんが喜んでくれるとこっちが元気をいただいた。 また藤武さんは『アートが山をのぼること』が終わったあと作家の藤野が展示していた報恩殿にて清澄寺や清澄山を紹介するボラティア活動を始めたり展示後もいろいろな展開をしていた。 http://hirakawakenkyujyo.blog104.fc2.com/blog-date-201201-1.html 本当に藤武さんは清澄が好きだった。 そんなジジにもう会えないかと思うと本当に辛い。。。 僕らはジジの子供だった。本当に成長させてもらった。 会えないなんて未だに信じられないけど、僕らがジジから貰ったいろいろなモノは生涯の宝にして行きたい。 今年も暑い日がやってくる。夏の暑さと蝉の声を聞いたらジジを思い出すことだろう。 またみんなで清澄山に登ろう登ったらジジ会える気がするから。
ジジおやすみ。

2011年8月29日月曜日

自身のブログで展示について書きました。

展示作品撤去後体調を崩し死んでました。。
やっと時間ができたので展示まとめをしようかな。

自身のブログで展示について書きました。
http://hirakawakenkyujyo.blog104.fc2.com/blog-entry-441.html

そのうち、こっちでも何か書きますね。
明日から芸大の研究室旅行だーーー!!夏休みもほとんど家にいない。。。

2011年8月27日土曜日

千ヶ崎慶一の作品紹介

今回展示した清澄寺の庫裡の間は薄暗く雰囲気のある空間でした。庫裡の間には左甚五郎が奉納した鎮火牛が設置してありました。私は鎮火牛の歴史を知り、鎮火牛をモチーフにした作品を作ることを決めました。

鎮火牛とは・・・
以下引用-----------------------------------------------------
『ひぶせのうし』と呼ばれ、庫裡の土間に入った右手にあります。昔、この山には火事が多くお寺は何度も全焼しました。これを耳にした旅の匠が火の鎮まることを祈りながら彫った一刀彫りの牛をお寺に奉納したところ、それ以来、山から火事はでなくなりました。匠は左甚五郎と伝えられ、虚空蔵菩薩が丑寅の守り本尊であることから牛を彫ったそうです。(大本山清澄寺ウェブサイトhttp://www.seichoji.com/hibusenousi.html)
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庫裡の間の空間は元々暗かったので灯りが必要だと私は考えました。そこで光を扱うことを決めました。庫裡の間には他にも美しい格子状の下駄箱がありましたが、それは今回の鎮火牛をテーマとした作品の邪魔になってしまうので暗室にすることで格子を消しました。


この作品で大切な事は、左甚五郎の彫刻と千ヶ崎慶一のインスタレーションの関係性でした。今回は鎮火牛の実体を消してゆく様な方法をとりました。なぜなら庫裡の間全体の空間を演出したかったからです。セザンヌの絵画の様に背景を描くことで世界観を作りだすことにしました。



部屋の入り口には左甚五郎が彫った鎮火牛が設置されており、両端には光を使った円状のインスタレーションを2つのブロックに分けて設置しました。それぞれのインスタレーション中央に設置したモニタには映像を展示しました。その映像は鎮火牛を3層のレイヤーで表現したものでありそれが微妙に動き、鎮火牛の下のランプが動き出すといった内容でした。

全体の展示


インスタレーション中央に展示された映像


展示空間を歩き回った時の映像


以下は展示空間の映像と作品のキャプションです。

タイトル 「鎮火牛」
サイズ   40秒
素材    アニメーション
説明

この作品は鎮火牛(ひぶせのうし)をモチーフにしています。鎮火牛とは、江戸時代に左甚五郎が彫った一刀彫の牛の彫刻です。鎮火牛が奉納される以前は山火事が多かったそうですが、鎮火牛が奉納されて以来火事が無くなったそうです。

山火事や津波、干ばつ、地震などの自然災害に対して人々は芸術作品を作ってきました。その時人々は災害を鎮めるといった願いとともに、未来に自分の作品を残す事を考えたでしょう。それは自然の風化に対する人類の抵抗だといえます。そのような芸術の根源もふまえ、鎮火牛が守ってきた清澄寺の歴史をこの作品は描き出しています。

2011年8月24日水曜日

今回のレジデンスと展覧会を終えて/千ヶ崎慶一


今回のレジデンスと展覧会を終えて 
千ヶ崎慶一

2011年8月10日から21日まで千葉県鴨川市の清澄で展覧会「アートが山をのぼること」が開催されました。各アーティストは、7月末から徐々にレジデンススペースに集まっていきました。約10日間の制作期間の中でアーティストたちは共同生活をしながら各々の作品を完成させていきました。展示された作品は個性があり多様で素晴らしいものばかりでした。またそれだけではなく展示された場所に合った作品でした。清澄寺の大きな空間に沢山のアート作品がちりばめられました。

アーティスト達にとってこの展覧会は冒険でしたが、清澄寺側からみても冒険でした。1300年の歴史があるこの寺院でこの様な展覧会を開催するのは初めての試みだったからです。また8月20・21日には東京からの「アートが山をのぼることバスツアー」が開催され、沢山の方々が展覧会場および各地名所に足を運びました。このツアーはアーティストが独自で企画したもので他に例をみません。以上の様に様々な面からみてこの展覧会は画期的でした。このような大きく、有意義な展覧会を完成させたことはアーティスト達にとって大きな自信になるでしょう。

また、作品制作においての意識の変化がアーティスト達にあったのではないでしょうか。これは千ヶ崎自身の感想なのですが、影山聖人が開いたヨガ教室に参加し、ヨガを体験したことで一人称で感じ考える事はアーティストにとって大事な事だと実感しました。特に現代アートでは、作品を素早く大量に作る事を迫られるためか、自分の作品を第三者的に観てしまうことがあります。他人はこんな所まで観ないなとたかをくくってしまうことはアーティストにとってとても危険な事なのです。主観でものを捉える事の重要性を実感できたことは大きな収穫でした。

ここでアーティスト達の作品を簡単に紹介したいと思います。詳しくは他の記事で各作家が説明します。

◆尾家杏奈 
日蓮の伝承をモチーフにした作品と、尾家が清澄から得た印象を描いた平面作品が研修会館の信育道場に展示されました。

◆齋藤春佳
















時間や場所を考えさせる作品が東屋や野外に展示されました。

◆千ヶ崎慶一








清澄寺に奉納された左甚五郎作の鎮火牛をテーマにした映像インスタレーション作品。


◆藤野真司










情報社会での祈りの場所を問う2つの作品。日蓮の師匠である導善房の彫刻が安置されている報恩殿で展示されました。

◆平川恒太









研修会館の信育道場での自然と人間をテーマにしたインスタレーション作品。







2メートルの筆を使い、和紙に泥絵を描くというパフォーマンスを毎日行いました。


◆山口真和


普段から方向をテーマにする制作をしている山口は、旭ヶ森からみえる日の出の方向や妙見菩薩の祠を向いた作品を野外に展示しました。
※妙見菩薩:北極星を神格化したもの



◆他会場のだあな舍ではプレオープン企画として安永則代の「記憶・直感・期待」という展覧会も催されました。こちらは"what is the most important for us" という問いに針金を使った工作で答えてもらういった参加型の作品になりました。


2011年8月11日木曜日

NHKの放送!!

昨日、NHKさんに取材していただいた放送時間がきまりました。
しかし、夜に事件等が起きる場合放送予定が変わるのでご了承ください。

放送予定時間
あさ7:45から8:00のニュースの中で放送予定です。

宜しくお願い致します。

展覧会開催!!

展覧会はじまりました。
昨日は初日という事もあり、多くの来場者にお越しいただきました。
またNHKや房日新聞の記者さんにも来ていただきました。
上の作品は山口真和の旭が森の展示

他のアーティスト展示も素晴らしいですよ!!
会期中にも幾つか作品が増えるかもです。(お楽しみに)
あと、参道のお土産物屋さんのおばさんとアートお土産プロジェクトも企画し始めました。
最初のお土産は15日くらいに出来る予定です!!

長い間準備をしてきましたが、今回の展示を開催できたというのは、とても自信になりました。
1日1日が僕たちアーティストにとってもすごく良い経験になっています。

今度ブログで朝日をアップしますね!!